令和2年12月(和歌山県海南市)
蔵の屋根が雨漏れのため、雨水が染みた土壁の一部が崩れ落ちたとの連絡を受けて調査に伺いました。
雨漏れの原因を探る散水調査(赤外線カメラ併用)を実施したところ、壁が落ちた周囲だけでなく他の部分もすぐに浸入水が確認され、現状の瓦のまま修繕することが難しいと判断しました。
そこで瓦を取り除いてから、板金屋根を新たに葺くことを提案させて頂きました。そのうえで、土壁や板部分の修繕を行うことになりました。
瓦の下には3トンもの大量の土が葺かれており、すべて撤去した後に、垂木の交換から順番に進めていきました。一部腐食していましたので、補強なども行いながら、下地を作っていきました。
十分の重ねをとってルーフィングを敷き、ブチルやシーリングで補強も入れながら板金屋根を張り上げていき、最後に軒樋と竪樋を設置しました。
土壁が崩落した部分は下地を補修した後、壁に厚みがありますので、幾度も塗り重ねながら乾燥させ補修しました。加えてこの部分以外にも、傷んできてひび割れが発生しているところが何か所かあったため、乾燥時間を用いて一緒に修繕を行いました。
木板の下壁部分(西面)は劣化が進んでいましたので、撤去してから下地の胴縁などを交換し、木調トタン板を張り直して仕上げました。
当初は雨漏れだけ何とか止めることができたら・・とお考えでしたので、初め思っていたよりも大工事となってしまいましたが、これでまた雨漏れしてくるのではないかと心配することなく、安心してお使い頂けるようになりました。
また母屋の方も2か所雨漏れが発生していましたので、箇所に対応した施工をさせて頂きました。
今後も引き続き大丈夫か経過を見ていきたいと思います。(和歌山県海南市にて)